「久保田そろばんコレクション」から「そろばん博物館」へ
故久保田輝雄氏は、昭和4年兵庫県加東郡小野町内町(現在の小野市本町)に生まれ、旧制中学校卒業後、昭和25年に先々代より続いた株式会社久保田算盤店に就業し、昭和51年に社長に就任されました。
算盤産業が低迷する時流の中、久保田氏はそろばんの持つ「新たな可能性探求」に情熱を燃やし、自らのアイデアで様々なそろばんを製作され、また、全国のそろばん収集家との交流も深められました。さらにそろばんの普及啓発のため、平成元年には店舗の一部を利用し、「小野そろばん博物館」を開設されました。
博物館では、先々代より収集してこられた古いそろばん、歴代名工の逸品、名人が使用していた道具類などが展示され、開設当時、大変人気を博しました。
しかし平成11年7月に久保田氏が逝去された後、長きに渡り休館して、その貴重なコレクションは日の目を見ることがありませんでした。
久保田氏が生前書きためられていた原稿をもとに、久保田氏の長女である鹿野文氏が関係資料の整理や追加取材などの作業を経て、「播州そろばん~その歴史とルーツを訪ねて~」を出版され、それを機に「小野そろばん博物館」の貴重な収蔵品を、小野市伝統産業会館へ寄贈いただきました。
暮らしに結びついた多種多様なそろばん、海外のそろばん、素材・形の珍しいバラエティに富んだそろばん、遊び心満載のそろばんグッズなどを是非ご覧ください。
そろばん資料室
工芸品であるそろばんの原材料(珠、ひご、ワク等)、製造工具、手工道具、製造技術工程の資料を展示保管しています。